ポモドーロで25分のタイマーをかけたのに、気づいたらスマホで時間を確認していた。
そんな経験があるなら、時計の代わりに音楽で区切る方法を試してみてください。
ポモドーロBGMとは、ポモドーロテクニックの「25分の作業と5分の休憩」に合わせて、音楽の切り替えや再生時間で時間の区切りを知らせるBGMのことです。
この記事では、ポモドーロテクニックの基本から、25分と5分を音楽で区切るやり方、タイマー付き動画の使い方、休憩で音楽をどう切り替えるかまでまとめました。
後半では、そのまま1ポモドーロに使える動画とアルバムを4つ紹介します。
ポモドーロテクニックの基本
ポモドーロテクニックは、イタリアのFrancesco Cirilloが大学生のころに考えた時間管理の方法です。
トマトの形をしたキッチンタイマーで勉強の時間を区切ったのが始まりで、「ポモドーロ」はイタリア語でトマトのこと。
1980年代後半に生まれた方法とされていて、2018年には本人の著書が英語版で市販されています(The Pomodoro Technique – Penguin Random House)。
手順はシンプルです。
- やることを1つ決めて、タイマーを25分にセットする
- タイマーが鳴るまで、その作業だけをする
- 鳴ったら5分ほど休む
- これを4回くり返したら、長めの休憩をとる
この25分の1区切りを、1ポモドーロと数えます。
出版社の紹介文では「25分の作業と、あいだに5分の休憩」と説明されています。
長めの休憩の長さは解説によって15〜30分や20〜30分と幅があり、Wikipediaでは20〜30分です(Pomodoro Technique – Wikipedia)。
なので、長い休憩は20分くらいを目安に、自分の疲れ具合で前後させれば十分です。
決まった間隔で休むこと自体を調べた研究もあります。
Biwerらは2023年、オランダの大学生87人を「好きなときに休む」「24分勉強して6分休む(ポモドーロ型)」「12分勉強して3分休む」の3グループに分けて、自習中の状態を比べました(Biwer et al., 2023)。
好きなときに休んだグループは1回の勉強も休憩も長くなり、疲れや気の散りやすさが高く、集中ややる気は低めでした。
いっぽう、こなした課題の量には差がありませんでした。
そこから、決まった間隔で休むほうが気分の面で有利で、同じ量を短い時間で終えられる可能性もある、というのが著者らの結論です。
参加者87人の1本の研究なので、これだけで「ポモドーロが最強」とまでは言えません。
25分と5分を音楽で区切る3つのやり方
ポモドーロでありがちなのが、残り時間が気になって画面の端の時計をちらちら見てしまうことです。
音楽で区切ると、時間を「見る」から「聞く」に変えられます。
音が変わったら休憩、と決めておけば、残り時間を確かめに行く必要がなくなるわけです(ここは編集部の経験則です)。
やり方は大きく3つあります。
タイマー付きの動画を流す
YouTubeには、25分の作業と5分の休憩をあらかじめ組み込んだ「ポモドーロタイマー」の動画がたくさんあります。
再生ボタンを押すだけで、作業と休憩の切り替えまで動画がやってくれるので、いちばん手軽です。
使い方のコツは次の節にまとめました。
アルバムの長さで測る
合計がちょうど25分前後のアルバムを1枚流して、終わったら休憩、というやり方です。
アルバムの曲目と再生時間はApple MusicやSpotifyで確認できるので、「最後の曲が終わったら休む」「この曲に入ったら休憩」と目印を決めておけます。
後半で紹介する2枚は、どちらもこの使い方ができる長さです。
自分でプレイリストを組む
作業用の曲を25分ぶん、休憩用の曲を5分ぶん並べたプレイリストを自分で作る方法もあります。
手間はかかりますが、休憩のパートだけジャンルを変えるといった調整を自由にできます。
作るときは、作業パートを歌詞なしの曲でそろえるのがおすすめです。
歌詞は言葉なので、文章を読んだり書いたりする作業と頭の中で取り合いになり、歌詞つきの音楽で読解テストの成績が下がった実験もあります(Perham & Currie, 2014)。
タイマー付き動画の使い方
ポモドーロタイマーの動画は、作り方が動画ごとに違います。
画面にカウントダウンが出るのか、作業と休憩で音楽が変わるのか、切り替えで合図の音が鳴るのか、何セット入っているのかは動画しだいです。
なので最初の1回だけは、概要欄やチャプターで「何分×何セットか」「切り替えがどうわかるか」を確かめてから使いましょう。
セット数は、作業する時間から逆算して選ぶと迷いません。
25分と5分の組み合わせなら1セット30分なので、1時間の動画は2セット、2時間の動画は4セットです。
4セットの動画を1本流し切ったら長めの休憩、と決めておくと、ポモドーロの手順をそのまま動画に任せられます。
気をつけたいのが、YouTubeの広告です。
無料で見ていると途中に広告が入ることがあり、25分の作業の途中で別の音が割り込んできます。
広告のあいだは動画が止まるので、区切りの時刻もそのぶん後ろにずれます。
集中が切れる原因にもなるので、気になる人は広告なしで作業用BGMを流す方法も見てみてください。
音楽アプリでアルバムを流すやり方なら、有料プランで広告なしにできます。
もうひとつ、途中から再生しないこともコツです。
前回の続きから再生されると、作業のパートが10分しか残っていない、ということが起きます。
作業を始めるときは、毎回動画の頭から流すようにしましょう。
休憩の5分で音楽をどう切り替えるか
作業と休憩の境目をはっきりさせたいなら、休憩に入ったら音楽の「種類」を変えるのがいちばんわかりやすいやり方です。
作業中がローファイなら休憩はボサノバ、作業中がピアノなら休憩は歌ものにする、といった具合です。
同じ雰囲気の曲が続くと、休憩に入ったことに耳が気づきにくく、席を立つきっかけを逃しがちです(これも経験則です)。
休憩中は、作業中に避けていた歌詞つきの曲を解禁してもかまいません。
歌詞を避けるのは読み書きと言葉が取り合いになるからで、手を止めている5分間はその理由が当てはまらないからです。
ただ、サビが頭に残って作業に戻ってからもリピートする、ということはあるので、休憩の最後の1曲だけはインストに戻しておくと切り替えがスムーズです。
4セットごとの長い休憩は、音楽を止めて静かに過ごすのも手です。
ずっと何かしらの音が鳴っていた2時間のあとなので、無音の時間をはさむと、次の1セット目の音楽が「始まりの合図」として耳に入りやすくなります。
休憩向けの曲をまとめて探したいなら仕事の休憩に聴きたいBGM、25分の作業パートに流す曲を選びたいなら集中できるBGMの記事が使えます。
この記事は、その2つを「時間でどうつなぐか」の担当です。
実際に聴くなら
前半の2つはタイマー入りの動画、後半の2つは再生時間で区切れるアルバムです。
画面を見ながら作業する人は動画、画面を作業に使いたい人はアルバム、と選ぶとスムーズです。
1. Pomodoro Cat
1時間だけ集中したい日にちょうどいいのが、25分作業と5分休憩の「25/5」をうたう、約60分のポモドーロタイマー動画です。
60分なので2セットぶんの長さで、タイトルは「Study with Cats」、BGMはタイトルによるとカフェ系のジャズです。
動画を流し切ったところで2ポモドーロ、という数え方ができるので、「今日は2つだけやる」という日に合います。
2. pomodorokafe.
ポモドーロの手順を1周まるごと任せたいなら、25分と5分を4セット並べた約2時間の動画が便利です。
4セット目が終わったところが、そのまま長めの休憩に入るタイミングになります。
タイトルには「cozy jazz」とあって、アイスモカをテーマにしたカフェ風の1本です。
3. FM STAR
アルバムをそのままタイマーにするなら、「【ポモドーロテクニック】25分集中力向上のためのカフェジャズメロディ、勉強や仕事の効率を上げる音楽」がいちばん素直です。
全6曲の合計が約24分50秒で、最後の曲が終わったら1ポモドーロ終了、という使い方ができます。
曲名にはSaxophoneやPianoが並んでいて、5曲目だけ6分半と長めです。
Apple Musicでは英題「[Pomodoro Technique] 25 Minutes Cafe Jazz Melody to Improve Concentration, Music to Improve Study and Work Efficiency」で表示されます。
4. Lofi Chill Beats Grind Club
作業と休憩の1セット30分を1枚で回せるのが、「作業効率化Lofi Hip Hop ポモドーロ効果でタスクが進む25分セッション」です。
全10曲で約30分あり、1曲目から8曲目までの合計がちょうど24分40秒ほど。
9曲目の「Deep Focus」が始まったら休憩に入り、10曲目の「Home Office」が終わったら次のポモドーロ、という区切り方ができます。
休憩パートも同じローファイが続くので、作業との差をつけたい人は、9曲目に入ったところで休憩用の別の曲に切り替えてもかまいません。
Apple Musicでは英題「Lofi Hip Hop Productivity: Pomodoro Session for Task Progress 25 Minutes」で表示されます。
アルバムで区切るときは、音楽アプリの自動再生(アルバムが終わったあと似た曲を続けて流す機能)をオフにしておくと、最後の曲のあとに無音が来て、終わりがはっきりわかります。
ポモドーロBGMのよくある質問
Q. 25分じゃないとだめですか?
A. 25分は考案者が使っていた長さで、守らないといけない決まりではありません。
前掲のBiwerらの研究でも、24分勉強して6分休む形と、12分勉強して3分休む形の両方で、好きなときに休むより疲れが少ない結果が出ています。
集中が続かない日は短め、乗っている日は長め、と調整してかまいません。
長さを変えるなら、アルバムやプレイリストで自分で区切るやり方のほうが合わせやすいはずです。
Q. 休憩の5分は音楽を止めたほうがいいですか?
A. どちらでも大丈夫です。
区切りとして効くのは作業中と休憩中で音の状態が変わることなので、止めて無音にしても、別のジャンルに切り替えても役目は果たせます(これは経験則です)。
ただ、作業中と同じ曲を流しっぱなしにすると、休憩に入ったことに気づきにくくなります。
Q. タイマーアプリと動画、どちらを使えばいいですか?
A. 音楽を自由に選びたいならタイマーアプリと好きなアルバム、何も考えずに始めたいならタイマー付き動画です。
動画は再生ボタンひとつで済むかわりに、音楽の好みは選べません。
アプリとアルバムの組み合わせは準備が少し増えますが、曲は好きなものにできます。
Q. 作業中の音量はどれくらいがいいですか?
A. カフェのざわめきくらいまでが目安です。
環境音の実験では、70デシベル程度の音で発想系の課題の成績が上がり、85デシベルのうるさい音では下がっていました(Mehta, Zhu & Cheema, 2012)。
音楽そのものの実験ではないので目安としてですが、タイマー動画の切り替えの合図が聞き取れる程度の音量にしておくと、区切りを逃さずに済みます。
今日の1ポモドーロを始めるなら
まずはタイマー付き動画を1本、頭から流してみてください。
音が切り替わったら手を止めて休む、をくり返すだけなので、時計を見に行く必要がなくなります。
慣れてきたら、25分ぶんのアルバムを自分で選んで、作業用と休憩用で音楽を分けてみるのがおすすめです。
作業パートに流す曲は集中できるBGMやLoFi作業用BGM、休憩パートの曲は仕事の休憩に聴きたいBGMから選べます。
4セットを何周も回す長い作業日には、長時間流せる作業用BGMも参考にしてみてください。
カフェ系や作業用BGMのアーティストはカフェBGMアーティスト一覧にもまとめています。
この記事を書いた人
Cafe BGM Playlister 編集部
カフェBGMと作業用BGMの専門メディア「Cafe BGM Playlister」の編集部です。
運営元のレーベルでカフェBGMアーティストの楽曲制作と配信に携わっていて、この記事で紹介したアーティストの一部も当レーベルの所属です。
選曲は、収録曲や再生時間、公開されている情報を編集部が確かめたうえで選んでいます。
