作業中に流せるクラシックを6つ紹介します。
どれもYouTubeかApple Musicですぐ再生できて、YouTubeの動画なら無料です。
クラシックの作業用BGMは、バッハやモーツァルトなどのクラシック音楽から、歌がなく音量の起伏が小さい曲を選んで、作業の後ろで流すBGMです。
同じクラシックでも、交響曲のクライマックスのような曲は作業向きとは言えません。
どんな曲を選べばいいかは後半「この6つを選んだ基準」に、よく聞く「モーツァルト効果」の話はFAQにまとめています。
クラシックの作業用BGMおすすめ6選
前半の4つはYouTubeの長尺動画、後半の2つはアルバムです。
バロックの合奏、ピアノ中心の名曲集、古典派の弦楽と、時代や編成がなるべくかぶらないように並べました。
クラシックに詳しくない人は、まず2の名曲集から流してみてください。
1. HALIDONMUSIC
バロック時代の合奏曲を作業用にまとめるなら、イタリアのクラシックレーベルが運営するこのチャンネルの「Baroque Music for Studying & Brain Power」が候補になります。
テレマンのヴィオラ協奏曲、コレッリの合奏協奏曲、ヴィヴァルディの「四季」などを、約1時間40分つないだ動画です。
バロックの協奏曲は一定のテンポで進む楽章が多いジャンルなので、入力作業や片付けのような手を動かす作業と合わせやすいと思います。
2. クラシックの森 – Calm Classics for Focus & Healing
「クラシックの名曲を、静かなものだけ集めてほしい」という人にいちばん近いのが、この約3時間の「静かなクラシック超名曲集」です。
バッハの平均律の前奏曲から始まり、ショパンの夜想曲やサティのグノシエンヌなど40曲が、ピアノ曲と室内楽を中心に並んでいます。
概要欄に全曲のチャプターがあるので、気に入った曲の名前をあとから調べられるのもうれしいところです。
3. Life with classics
作曲家をひとりに絞るなら、バッハの名曲10曲を約46分にまとめたこの動画がとっつきやすいと思います。
メヌエット ト長調、ブランデンブルク協奏曲第3番と第5番の第1楽章、G線上のアリアと、どこかで耳にした曲が続きます。
曲の中に鈴や鳥の声の効果音が入っていると概要欄に書かれているので、効果音が気になる人は1か2を選んでください。
4. HALIDONMUSIC(古典派の弦楽)
1と同じチャンネルですが、こちらの「Classical Music for Studying」はモーツァルトやハイドンの時代、いわゆる古典派の曲が中心です。
1曲目のヴィヴァルディに続いて、モーツァルトのディヴェルティメント K.136やK.138など、弦楽合奏の軽やかな曲が約1時間半入っています。
同じチャンネルの中で時代を変えたいとき、1と日替わりで流すのもおすすめです。
5. FM STAR
アルバム名がそのまま「クラシックの名曲を静かに流したい人のBGM」という、定番10曲を約32分にまとめた1枚です。
エリーゼのために、主よ人の望みの喜びよ、月の光、トロイメライと、曲名を知らなくても聴き覚えのある曲がそろっています。
1曲目のモーツァルト「2台のピアノのためのソナタ K.448」は、「モーツァルト効果」の元になった1993年の実験で使われた曲で、その話はFAQで紹介します。
6. Renaissance Music
クラシックは好きだけど、そのままだと少し上品すぎて落ち着かない人には、ローファイ風にカバーしたこのアルバムを。
「Classical Healing and Fatigue Recovery – Lo -Fi Covers of Timeless Classics -」には、ショパン、ドビュッシー、サティ、ラヴェル、ベートーヴェンなどの曲をもとにした10曲が入っています。
曲名はどれも「Chopin’s Gentle Rain」のような付け直したタイトルなので、原曲当てをしながら流すのもありです。
ビート入りのBGMに慣れている人なら、ローファイ作業用BGMからの乗り換え先にもなります。
6選の比較
迷ったら、時代と編成、それに作業の種類で選んでしまいましょう。
| 名前 | 時代と編成 | 雰囲気 | 合う場面 |
|---|---|---|---|
| HALIDONMUSIC(バロック) | バロックの弦楽合奏 | 規則正しく淡々 | 入力作業、片付け |
| クラシックの森 | ピアノ曲と室内楽の名曲 | 穏やかで静か | 読書、書きもの |
| Life with classics | バッハの名曲(効果音あり) | 明るく端正 | 朝の作業の立ち上がり |
| HALIDONMUSIC(古典派) | モーツァルトなど古典派の弦楽 | 軽やかで上品 | 勉強、資料づくり |
| FM STAR | 時代を問わない定番名曲 | なじみのある旋律 | 家事、軽作業 |
| Renaissance Music | クラシックのローファイカバー | ゆるいビートでチル | 夜の作業 |
この6つを選んだ基準
クラシックは数百年ぶんの曲があるので、作業用に使える曲と使いにくい曲の差が大きいジャンルです。
6つに共通させたのは、この3条件です。
- 歌が入っていない
- 音量の差が小さい
- 30分前後は流しっぱなしにできる
1つ目の条件から説明します。
クラシックは歌のない音楽だと思われがちですが、オペラのアリアや宗教曲の合唱のように、歌が主役の曲もたくさんあります。
歌詞は「言葉」なので、読んだり書いたりしている頭の中の言葉と取り合いになります。
実際、歌詞つきの音楽を流しながらだと読解テストの成績が下がったという実験があります(Perham & Currie, 2014)。
外国語の歌詞で意味がわからなくても、声そのものに耳が向く人はいます(ここは経験則です)。
読み書きの作業なら、器楽曲から選ぶのが無難です。
2つ目の音量の差は、クラシックを作業用にするときに特に気をつけたい点です。
オーケストラの曲は、ささやくような弱音から全員で鳴らす強音まで、1曲の中で音量が大きく変わります。
静かな部分に合わせて音量を上げておくと、盛り上がる部分でいきなり大きな音が来て、そのたびに手が止まります。
この記事でピアノ曲や室内楽、バロックの弦楽合奏を中心にしたのは、大編成のオーケストラより強弱の幅が狭い曲が多く、音量を一度決めたら触らずに済みやすいからです(ここは編集部の経験則です)。
ピアノ中心でもっと選びたい人は、作業用ピアノBGMのまとめもどうぞ。
3つ目の長さも経験則です。
曲が終わるたびに次を探していると、そのつど作業から頭が離れます。
今回は収録時間が30分前後あるアルバムか、45分を超える動画だけにしました。
クラシックの作業用BGMのよくある質問
Q. モーツァルトを聴くと頭がよくなるって本当ですか?
A. 「モーツァルトを聴くと頭がよくなる」という意味なら、そこまでの根拠はありません。
話の出どころは、モーツァルトの「2台のピアノのためのソナタ K.448」を10分聴いた直後に、空間把握の課題の成績が上がったという1993年の短い報告です(Rauscher, Shaw & Ky, 1993)。
しかも成績の差は10〜15分ほどで消える一時的なもので、知能そのものが伸びたと示した研究ではありません。
その後、Thompson, Schellenberg & Husain (2001) が、明るく速いモーツァルトと、遅く悲しげなアルビノーニのアダージョを比べています(Thompson, Schellenberg & Husain, 2001)。
モーツァルトのあとでは成績が上がりましたが、聴いた人の気分や覚醒度(目の覚め具合)の差を統計的にそろえると、その差は消えました。
つまり効いていたのは「モーツァルトだから」ではなく、楽しい曲で気分が上がり、頭がしゃきっとしたことだった、という解釈です。
さらに約40件、3000人超の研究をまとめたメタ分析でも、モーツァルトを聴くこと自体で空間能力が上がるという裏付けは得られませんでした(Pietschnig, Voracek & Formann, 2010)。
なのでクラシックを作業用に流すなら、「頭をよくする薬」としてではなく、気分よく作業に入るための好きな曲として選ぶのがいいと思います。
Q. 勉強にはバロックがいいと聞きました
A. バロックだけが特別に効く、という研究は編集部では確認できませんでした。
ただ、1のようなバロックの合奏曲は一定のテンポで進む曲が多く、前の節に書いた「音量の差が小さい」条件に合いやすいので、作業用の入り口としては選びやすいジャンルです。
テンポの速い楽章で気が散るなら、2のような静かなピアノ中心の名曲集に切り替えてみてください。
勉強向けのBGM全般は勉強用BGMおすすめにまとめています。
Q. 知っている名曲だと、つい聴き入ってしまいます
A. 好きな曲ほど注意が音楽に向くのは、クラシックでも同じです。
そういう日は、聴き覚えのある曲が多い5より、知らない曲が混ざる1や4のほうが、作業の邪魔をしにくくなります(これは経験則です)。
そもそも音楽が作業の助けになるのかどうかは、作業用BGMの効果の記事で研究をもとに整理しています。
Q. 無料で聴けますか?
A. 1から4のYouTube動画は無料です。
5と6のアルバムはApple MusicやSpotifyのサブスク向けですが、YouTube Musicでも同じアルバムを再生できます。
最初の1本の選び方
クラシックを作業用にするなら、「歌なし、音量の差が小さい、長く流せる」の3つで選べば大きくは外しません。
迷ったら2の静かな名曲集から始めて、もっと淡々としたほうがよければ1のバロック、少し明るくしたければ4の古典派へ広げてみてください。
名曲喫茶のようにクラシックをじっくり聴く楽しみ方は喫茶店で流れる曲のまとめで、カフェ系のアーティストはカフェBGMアーティスト一覧で紹介しています。
この記事を書いた人
Cafe BGM Playlister 編集部
カフェBGMと作業用BGMの専門メディア「Cafe BGM Playlister」の編集部です。
運営元のレーベルでカフェBGMアーティストの楽曲制作と配信に携わっていて、この記事で紹介したアーティストの一部も当レーベルの所属です。
選曲は、収録曲や再生時間、公開されている情報を編集部が確かめたうえで選んでいます。
